長時間火入れ!令和7年度産「おくむさし」微醗酵茶
微醗酵茶「おくむさし」の再製が完了しました
品種名の通り、この上なく摘採期の遅い晩生品種・・・
【手摘みおくむさし茶園】撮影:2025/05/20 7:20am
今年の手摘みは5月20日、もちろん今年度春芽の手摘み最終日です。ほぼ絶滅危惧種状態のこの品種、挿し木を元茶業研究所の技師に依頼しました。新植は2018年、今年で5回目の収穫です。
【おくむさし萎凋工程】
古い品種だけに茶葉が厚く、しかも軸が短いので微醗酵茶にはもってこいの品種です。醗酵度合いが上がるよう、生茶葉での工程にはかなりの時間を費やしています。
【火入れ】
今回特筆すべきは火入れ工程です。なかなか適切な火入れ具合が分からない品種ゆえ、思い切って長時間火入れに挑戦。「ふくみどり」ならば通常90分が目安ながら、今回は241分間の火入れを実施しました。これほどの長時間火入れが可能なのは、発酵が上手くいった証拠でしょう。
【外観】
生茶葉の厚さを反映した大柄な外観、クルンとカールした小柄なチップ。この品種に固有の個性的なルックスです。
【水色】
ほぼ琥珀色の水色。口に含めばこの上なく濃厚ながら、尖ったものが皆無・・・ 無味に近く、多少の事では揺らぎもしない どっしりとした味の抽出液。それと同時に感じるのは、ナッティーでマンゴーのように濃厚な萎凋香・・・ 極めて線の太い香気。香味が完全に一体となって口から喉に滑り降りる印象・・・ 初めて体験する味わいです。もちろん今年の作柄なのでしょうが、発酵度を上げることができた証左だと思われます。野木園手摘みの微醗酵茶は伊達ではない!ぜひ、来年につなげたいものです。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎