夏芽の荒茶の評価

産地問屋にとって極めて大切な工程の一つ・・・ 荒茶の値付け作業

 

春芽よりも生産量・仕入れ点数ともに少ないのですが、足掛け二日間を要しました

 

【外観評価】

拝見台に品種別・製造日順に並べ外観の審査から開始。茶葉を掌に取り、手触りと香気により、茶葉の色沢や本茶の状態をチェック。また頭・棒といった出物の状況を確認します。

 

 

【外観評価 Part2】

荒茶は仕入れが発生した時点で全ての見本を試飲し、売り前や使用する用途を決定しています。大まかな評価、グレード分け、特筆事項が記録された仕入伝票に沿って、再度確認して行きます。

 

 

【内質の評価】

内質の確認は急須による試飲で行います。茶業界で広く行われている「拝見 = 拝見茶碗とすくい網による試飲」は欠点を探すには最適ながら、備前屋の伝統で「拝見」の代わりに萬古焼の宝瓶を用います。これなら実際の喫茶に近い評価が可能です。一煎目と二煎目を試飲し新茶時に、仕入れ伝票に記載された備考欄の内容と照らし合わせ、内質の再確認を行います。同時に、三ヶ月間の「熟成 = 内容の変化」も併せてチェックします。春芽と異なり、夏芽は香味の起伏に乏しく、新たなチャームポイントを見出す楽しみはほとんどありません。それでも夏芽以降は製茶を行わない狭山においては、茶産地の底辺を支える大切な煎茶たちです。今年も上質の荒茶がそろいました。高温多湿の梅雨空のもと、製造に携わった生産家の皆さんに感謝です。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎