久し振りの「ほくめい」微醗酵茶

「ほくめい」・・・久し振りに扱う品種です

 

微醗酵茶『琥白』はハサミ摘み茶葉を使用しており、原材料は取引先生産家の茶園から供給されます

 

【ほくめい新芽】 撮影:2025/05/15,9:18am

「さやまみどり」と「やぶきた」実生のかけ合わせから選抜された狭山緑茶品種。狭山品種の原点と称される「さやまみどり」が母親なので、萎凋香能力が期待される一方「さやまかおり」同様に、渋みが残る味が煎茶よりも醗酵茶向きと言われています。摘採のタイミングで平成四年以来の製茶となりました。

 

 

【ほくめい茶園】

入間市中神にある市川喜代治氏の圃場。直立型の樹形なので新芽が真っすぐ真上に生長しており、いかにも収量が期待できそうな茶園です。茶葉表面の光沢が艶やかなのは母親の「さやまみどり」譲りかもしれません。

 

 

【ほくめい摘採】

本来 晩生品種ながら、今年は他品種とほぼ同時に適期摘採機期を迎えておりました

 

 

ほくめい荒茶

「さやまみどり」同様葉肉が厚い茶葉。長い棒が目立ちますが繊維質は少なく、最近の品種らしい垢抜けた風情の外観です。どっしりとした重量感のある味、そして香気は地を這うように忍び寄り、ゆっくりと着実に口中に広がる印象・・・ 華やかさにはかけるものの、濃厚な萎凋香があります。音楽でいえば、確実なリズムを刻みながら全体をリードするベースのような存在でしょうか。目立たない場所で他の香気を支え、全体を底上げし、香味に厚みを加える・・・ 合組に必要不可欠な品種かもしれません。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎