令和6年度正月新茶

今年度の正月新茶が完成しました・・・

 

冬の訪れが遅い今年ですが、茶葉に秘められた萎凋香のコンデションは最高潮を迎えています

 

【外観】

使用した原材料は「やぶきた」3種類「ふくみどり」2種類そして「むさしかおり」・・・ すべて萎凋香を持った荒茶ばかりです。火入れは伊達式透気乾燥機・・・ 直火式ゆえ透気乾燥機ほど風力を使用せず、せっかくの萎凋香を損なうこともなく、香気を持続させてくれるはず。ドッシリとした「やぶきた」の一部には、ほんの僅かに火入れ香を加えた部分があり、華やかな「ふくみどり」とは抜群の組合せです。さらには個性的な「むさしかおり」の香気が余韻に響きます。

 

 

【水色】

宇治茶の抹茶問屋を営む桑原秀樹さんから、宇治茶の「後熟」について拝聴したことがありました。茶は夏を越えると新茶時にまとっていた鮮度を失い、本性が現れるという内容でした。同様に狭山では「熟成」と呼び、これとは逆に馬脚を露す茶を「秋落ち」と表現しています。良好な萎凋香を持つ荒茶は文字通り熟成を重ねており、使用した原材料達は例外なく「研ぎ澄まされたような」萎凋の香りを放っています。以前から、気温が下がり寒さを迎えるこの時期に香りの高い茶が好まれたのは、「熟成」の効能があったのかもしれません。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎