煎茶と微醗酵茶~「ふくみどり」飲比べ会

今週末開催の感謝祭で行うイベント・・・

製茶法の違いによる「ふくみどり」の飲み比べです

 

【外観】左:微醗酵茶(釜炒り製)、右:煎茶(蒸し製)

備前屋が管理する野木園の手摘み「ふくみどり」2種類を喫み、外観・水色・香気・味の違いを飲み比べていただきます。使用するのは、日高市高萩地内にある備前屋の野木園ふくみどりを手摘みした微醗酵茶と煎茶、もちろん手摘みです。微醗酵茶は4月25日製、萎凋・醗酵・製茶は清水が実施。煎茶は4月28日製、萎凋は清水が施し、製茶は奥富雅浩氏に依頼しました。

 

 

【微醗酵茶】

今期、手摘み第一号だけあって、小柄で繊細な形状をした微醗酵茶です。この品種の特長である白毛が多く、白毫が目立ちます。褐変がほとんどなく、萎凋工程がこの上なく良好でした。製茶の乾燥工程では柑橘系の香気が漂っていました。

 

 

【煎茶】

萎凋は強い日差しを考慮し、寒冷紗の下で行う半日陰萎凋工程で行いました。品評会出品用製茶機械で行ったため、葉切れが少なく、本茶分が伸びやかな端正な外観に仕上がっています。緑茶用にしては、かなり萎凋度を上げました。夏を過ぎ、熟成が一段と進んだようです。研ぎ澄まされたような、キレッキレの萎凋香を感じます。

 

 

【水色】左:微醗酵茶(釜炒り製)、右:煎茶(蒸し製)

黄金色に近い緑色をした煎茶に対し、琥珀色の微醗酵茶。外観同様、味も香りも全くの別物です。うま味成分にかすかな渋みが加わり、口中には余韻の長い萎凋香が響く煎茶。微醗酵茶は渋みが全く感じられず、花のように鮮やかな香気が広がります。そして余韻にはオレンジのようにフルーティーな香りが響きます。同じ茶園から生まれた茶が、製法でこれほどまでに嗜好が変わるのは驚きです。お茶の奥深さを感ぜずにはおれません。機会のある方は感謝祭でお試しになりませんか?予約は不要です。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎