ルーマニア『国民の館』

ブカレストで最高の観光スポットかもしれません・・・ 

驚くほど、巨大で壮麗な建造物でした

 

【ウニリイ通り】

『国民の館』にまで、真直ぐ伸びる大通りには噴水と街路樹が配され、特別な雰囲気を漂わせています。シャンゼリゼ通りと、そっくりなものを目指して建設された道路との事。ここから眺めるだけで、その建造物の巨大さに圧倒されます。

 

 

【国民の館】

この建物は地上10階、地下4階建て、世界で2番目に広い建築物だそうです。ちなみに1番はペンタゴンとのことでした。この写真はデジカメでパノラマ撮影したものです。風景以外でパノラマモードを使用するのは初めて!

 

 

【国民の館 Part2】

渡航前、ルーマニアに関しての知識は首都ブカレスト、ドラキュラ伝説、ナディア=コマネチ、チャウシェスク大統領くらいでした。その元大統領の命により建築が始まったこの建物は、ルーマニア革命時にはまだ未完成で、建築の続行と解体で議論されたそうです。結局、解体費用の方が高くつくということもあり、工事が再開されました。ちなみに、一部では工事は継続中だそうです。

 

 

【大回廊】

大回廊には赤いカーペットが敷き詰められ、彫刻の施された白い大理石の柱が圧巻です。見学はガイドツアー形式で行われます。幸い、別途日本語のガイドさんが付き添ってくれたので、詳しく案内いただけました。

 

 

【研修場 (?) 】

現在は「議事堂宮殿」とも呼ばれ、ルーマニア議会議事堂がおかれています。1,000以上もの部屋があり、様々な使われ方あるようです。ルーマニア国旗とEU旗が掲げらているので、行政関係の部屋でしょうか? 床一面を覆う大理石はもちろん、扉や壁面を飾る木製品の加工も見事です。

 

 

【コンスタンティン・アレクサンドル・ロゼッティホール】

オペラ劇場として設置されたのでしょうが、議会議事堂として使用さているとの事。国民の館建設のために、国中から大理石が集められたそうです。

 

 

【ユニオン ホール】

床も柱も壁も大理石で仕上げられた煌びやかなホールは、ナディア=コマネチが結婚式を挙げた部屋だそうです。半透明の天窓と大きな窓から差し込む自然光により、珍しく明るく開放的なこの部屋は好ましい印象でした。

 

 

【国民の館 近景】

自らの権威の象徴として、チャウシェスク大統領が建築を命じたこの建物。ガイドさんによると、その費用を賄うため、当時の国民は一日にパン一つ丸々食べることすら、ままならなかったそうです。革命により、大統領夫妻はこの「宮殿」に住むこともないまま、処刑されました。何という「歴史の皮肉」なのでしょうか! 革命後、建設の継続と解体が議論され、解体費の方が高くつくということもあり、工事が再開されました。外国に住む一個人の勝手な感想として、解体されなかったのは素晴らしい事と感じております。ベルリンの壁崩壊から35年、ルーマニア革命から四半世紀が過ぎた今、「東西冷戦」も前世紀の遺物といった感があります。共産主義時代の東欧や、その指導者の存在を今に伝える歴史遺産としての価値は、計り知れないものがあります。今回のルーマニア行は日本茶の紹介だけでなく、東欧の歴史に触れることが叶い、この上なく有意義な旅となりました。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎