耐寒色の茶葉
狭山では「桜が早いとお茶が遅い」と言われています
春の訪れが早すぎると、茶葉が四月に寒の戻りによる寒さの影響を受け、新茶の開始が遅れるということなのでしょう
【やぶきた茶園】
何といっても、強烈な季節風と氷点下5℃以下にまで冷え込む武蔵野台地の冬ゆえ、赤紫に色を変える茶葉が出現します。耐寒色は厳しい寒さを乗り切るための、自己防衛策と考えられています。
【やぶきた】
とにかく暖冬の今年、桜の開花は平年より早いとの予報だったので、今年は耐寒色を半ば諦めていたのですが・・・ ここは茶園を縦断する通路沿いで、最も耐寒色が発生しやすいスポットです。先週になって、赤紫色に色を変えた茶葉が目立ってきました。
【おくむさし】
狭山生まれの古い品種ですが、今年は現れました
【ふくみどり】
この品種の耐寒色は初めて見ました。昨今の寒さが思い知らされます。
【ゆめわかば】
「やぶきた」に次いで発生しやすい品種に思われます
【ゆめわかば茶葉 Part 2】
他茶産地では耐寒色について聞かれないようなので、茶産地狭山固有の現象なのでしょうか? 備前屋の先代が「耐寒色の発生した年は新茶の出来が良い」と話していたのを覚えています。静岡の友人は「葉緑素を減らしながら、光合成を避けることで、寒さと乾燥から身を護るのではないか?」と冬越しの優位性を唱えていました。3月中旬から低温が続き、降雪と台風並みの北風により、桜の開花予報は大幅に遅れています。新茶の早始まりよりも、良好な品質を期待したいもの。耐寒色の発生は狭山茶業者にとって、このうえない朗報です。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎