茶釜の内側 ~ 結晶化ミネラル

茶釜の内側はどうなっているかご存じですか?

 

茶道を嗜む方はよくご存じだと思いますが、お茶屋の釜の内側はかなり変化に富んでいます

 

【茶釜】

呈茶用に使用しているのは おそらく40年近く使用している京釜・・・ 口の部分に歴史を漂わせます。

 

 

【結晶化ミネラル】

釜の内側で水に触れている部分には結晶化したミネラル(多分カルシウム)が付着しており、時折内壁から剥がれ落ちます。やかん等では経験したことがないので、鉄製品に固有の作用だと思われます。茶釜や鉄瓶で沸かした湯は「柔らかい」と言われますが、沸かしながらミネラルを取り除くので 軟水化に貢献しているのかもしれません。

 

 

【裏側】

茶釜に付着していた部分は鉄を含んでいます。

 

 

【断面】

剥落した部分は鉄の上にミネラルの結晶が盛り上がっており、付着していた時間の長さがうかがえるというもの・・・ 年輪のようです。

 

 

【釜底】

ミネラルの付着 → 結晶化 → 剥落 → 付着を繰り返した茶釜の内側はにぎやかな様相です。浄水器に通した水を 一日10時間、年間300日以上、40年もの間 湯を沸かし続けています。不調を訴えられメンテナンスのため数日間休ませたことはありますが、日曜日と年始の二日間以外は皆勤しており、かなりタフで頼もしい道具です。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎