ユネスコ無形文化遺産「細川紙」
和紙と茶の火入れとは200年に渡って 深い関係にあります
埼玉県の小川町と東秩父村で伝承されている手漉き和紙「細川紙」は 2014年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
【細川紙】
18世紀前半、ほいろを使用する「青製煎茶製法」が伝えられて以来、狭山では茶と和紙の取り合わせが続いています。備前屋では ほいろ以外にも、微醗酵茶用火入れ機である台湾製「焙茶機」に使用しています。
【整形】
焙茶機は竹製籠内の金属メッシュに茶葉を乗せ、下から電熱線で加熱する方式の火入れ機です。半醗酵茶はサイズが大きいので問題はないのでしょうが、メッシュをすり抜ける細かな茶葉が熱源に触れ、異臭が発生する可能性があります。日本茶を扱う茶業者は煙臭に敏感です。
【設置】
そこで 和紙を籠の径に合わせてカットし、メッシュの上に設置・・・ 細かな部分が電熱線に落ちるのを防ぐことが出来ます。この「バスケットファイヤー」方式は熱の対流が火入れのキーワード・・・ 通気性が良好でコシの強い和紙は適当な素材です。欠点は熱により しなやかさが奪われ、経時変化で破れやすくなるところ。本来は手漉き和紙でなくても問題はないのですが「細川紙」は長い繊維による強靭さが特長ゆえ、耐久性能の確認もまた楽しみの一つです。
萎凋香専門店 備前屋 清水敬一郎