炭火専用火入れ機「ガラ」

冬間近・・・ この時季にだけ活躍する火入れ機があります。

 

備前屋では茶の個性を引き出すため「ほいろ」を含め6種類の火入れ器機が活躍しています。

 

【火入れ機「ガラ」】

正式名称は「米沢式製茶火入れ機」・・・ 電話番号から推測して昭和30年代に製造された個体だと思われます。

 

 

【火入れ機「ガラ」全景】

川越で茶業を営んでいた内田さんが昭和20年代に開発したと伝えられる狭山独自の火入れ機で「内田式」と総称され、「ガラ」という愛称で親しまれています。

 

 

【稼働中の「ガラ」内部】

上部が開いた円筒を下から熱し、投入した茶葉をブラシで撹拌しつつ 表面から直接熱を加える方式。茶温を上げやすく、蒸れにくいので高温に耐えうる狭山茶葉に適した火入れが可能です。この火入れを好む こだわりの狭山茶業者は多く、いまだに活躍中の同型機が複数台あるようです。

 

 

【火袋内部】

使用燃料はLPGが標準でしたが、炭火での火入れができるように改造しました。

 

 

【備長炭】

希少品種「さやまみどり」の萎凋香を存分に引き出すため、高温が得やすく 火持ちが良く 温度維持に優れた 国産備長炭を使用します。煙が出ず 臭いもない、茶に最適な燃料です。

 

 

【完成品】

令和2年5月23日市川喜代治製「さやまみどり」を炭火処理した完成品です。ブラシで摺られた茶葉表面は白ずれを生じ、決して見栄えのする外観ではありません。一方で濃厚な品種の味と個性的な萎凋香を身にまとい、狭山登録品種第一号の存在を主張しています。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎