岩茶三昧
久し振りに「岩茶」を味わう機会に恵まれました。
台湾烏龍茶の最高峰「東方美人」から踏み込んだ半醗酵茶の世界ゆえ、中国大陸の「青茶」は未だ 未知の世界です。
【武夷岩茶 老水仙】
六月「吉田山大茶会」で知り合った笙奏者 田島和枝さんと高麗神社神主 新井聡さんが来店されました。「お茶を飲みに行きます」という約束でしたが、逆にご馳走になってしまいました。淹れていただいたのは人間国宝 劉宝順氏の手によるものだそうです。
【呈茶風景】
二人はお茶友達で、田島さんが茶を 新井さんが茶器一式・・・ 蓋碗・茶海・茶則・茶通・布巾まで持参されての訪問です。清水焼の玉露茶碗だけはこちらで用意しました。いつもながら蓋碗なみなみに注いで熱くないのかな? と思っていたら抽出液の色を確認するためなのだとか!
【水色】
醗酵度の高さを物語る濃厚な水色・・・ 岩茶といえば強い焙煎のイメージがありますが、この茶は控えめの火入れのようです。渋みの全くない厚みのある飲み口。わずかな酸味を伴った濃度の塊のような味の奥に何か潜んでいるのを感じます。焙煎香の薄れる三煎目以降は隠れていた萎凋香が顔を出します・・・ 竹の中に かぐや姫をみつけた、気分は「竹取の翁」! 四煎・五煎・・・ いくらでも飲み続けられそう・・・ 台湾茶の「清香」とは全く異なる魅力です。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎