再製 「ゆめわかば」

野木園手摘み「ゆめわかば」の再製に取りかかりました。

今期最後の手摘みで、最強の萎凋処理を行った「ゆめわかば」の再製を行いました。

 

【火入れ工程】

かってないほどの萎凋工程を経た「ゆめわかば」、以前台湾製の半斤(約300g)用火入れ機でテストを行いました。今回は「ほいろ」を使用しての火入れです。テスト火入れでは270分間を費やしたものの、今回は1時間ほどで作業完了・・・ 同じ電熱式ながら「ほいろ」は加熱面積が広いためでしょう。

 

【外観】

最後の手摘みであり、 製茶機械は60kgラインなので褒められるほどの容姿ではありません。ただし製茶担当者は決して「冷揉み」をせず、しかも精揉で持ちすぎない生産家ゆえ、姿悪しくも 苦渋味とは無縁の好ましい茶となりました。

 

【水色】

高めの蒸し度を反映し、濃度ある抽出液・・・ この液体にはとんでもないほどの萎凋香が溶け込んでいます。荒茶で感じた青みの強い味と萎凋香のアンバランスが火入れによって、完全に解消されました。火入れ直後の試飲では かすかに入れ香を感じたものの、数日後には火が馴染むことでしょう。

それにしても、これほど強い萎凋工程を好む品種だったとは!・・・ シングルオリジンティーとしての取扱いを考えています。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎