宇治抹茶の世界〜桑原秀樹さん
世界中でブームの“Green Tea”。特にもてはやされているのが抹茶です。抹茶の本場といえば宇治。縁あって、宇治抹茶の一端を学んできました。
先週末 関西へ行く機会があり、『日本茶AWARD』主催者代表であり、宇治抹茶問屋 桑原善助商店の経営者でもある 桑原秀樹さんにお会いしました。昨年お話を聴く機会があり、深くふかく宇治茶を愛するその人柄に感化され、今回 念願の訪問が叶いました。
本簀(ほんず)覆い用部材
真っ先に案内されたのが、JR六地蔵駅近所の茶園。これは本簀(ほんず)覆い用パーツの格納庫。下骨用の木材、横に渡す竹、そしてヨシズ。これだけで 歴史を感じてしまう、モノクロームの世界。
「あさひ」茶園
品種は「あさひ」。なぜか寒冷紗がかけられていました。この時期 狭山では考えられない光景です。
「あさひ」親葉
品評会での must 品種「あさひ」。煎茶でいえば「やぶきた」に該当するのでしょうが、摘採期が短く 難しい品種だそうです。親葉が大きく育つ時期なれど、このサイズと幅広の形状! さすがに碾茶品種の王様ならでは・・・ でしょうか。
「さみどり」茶園
こちらは隣りの「さみどり」園。中央が桑原秀樹さん、右は紅茶専門店 “Teaholics” 山内美和さん。夏なのに藁が敷き詰められているのは防草用だとか・・・。
一昨年購入した「抹茶の研究」、昨年拝読した「お抹茶のすべて」、さらには去年一年間 月間「茶」での連載など、抹茶に関する著書を数多く上梓されています。読めば、綿密な調査と冷静な判断、そして的確な表現で抹茶の世界が解りやすく解説され、私達門外漢にも宇治と抹茶の関係が一目瞭然に理解できます。なにより、桑原さんが抹茶をこよなく愛している事が真っ直ぐに伝わってくる、チャーミングな著作達です。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎