夏祭り 高萩囃子
関東も梅雨明け? 空の透明度、星の輝き、雲の様子、全て真夏バージョンに切り換ったようです。夏祭りの季節がやって来ました。
備前屋のある日高市高萩は 日光脇往還の宿場町として栄えた土地です。江戸時代より隆盛を誇った 八雲神社の夏祭り「天王様」は昭和四十年代 交通の激化により、山車の引き廻しが取り止めとなりました。
有志により継承されてきた「高萩囃子」は保存会と後援会が立ち上がり、山車を新調。そして平成22年、40年振りに山車の引き廻しが復活。往時に倣い、街道沿いに 絵灯篭も再現されました。
引き廻しが終われば祭り会場にて提灯に灯が点され、本番を迎えます。すっかり夏の雲・・・ 夕空に提灯の明かりが似合うこと。
子供の頃の印象より、ずっと小振りに感じられる山車。それでも年々装備が充実し、華やかになってきました。なにより子供達の演者が増え、活気にあふれています。絵灯篭もそうだけれど、小学校での「総合的な学習」の成果です。
演目は きつね、獅子、おかめ、ひょっとこ、外道・・・ この「きつね」の演者は女子中学生です。
三連休の初日という事もあり、最高の人出を記録。今では、復活の緒についたばかりの小さな お祭に過ぎないものの、その伝統と私達の思い入れは着実に継続されています。
昭和の時代、淘汰されつつあった数多の伝統文化とそれを支えてきた技術がありました。一つには「高萩囃子」のような地域の芸能、私達の茶業界においては「手揉み茶」製法があります。土俵際に追い詰められながらも、幸い両者とも 復活を遂げることができました。そして平成の次の時代へも伝えていく価値があるものです。
狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎