荒茶値付け

今年度の一番茶は終了したけれど、ある意味 最も大切な作業が始まりました。

入荷した荒茶の値付けです。

 

現在直接取引にある生産家は十数軒。生産された荒茶は全て備前屋で購入する形態です。

私達は 個々の生産家の茶園所在地・品種・面積・その管理状況 etc.を把握しており、荒茶は生産の翌朝 すぐ入荷され、ただちに再製にとりかかります。

そして茶期が終了してから価格を決定します。

 

 

まずは外観から。

品種別に製茶年月日順に並べ、作業開始。入荷時点で外観チェックと試飲によるグレード分けは済ませてあるので、確認作業といったところでしょうか。

今日の対象は入間市の荒茶工場2軒分、荒茶30点。

 

 

これから一年間 世話になる荒茶達。気に留まった事、気になった事、入荷直後の第一印象などを再確認するときには改めて見本盆をチェック。

荒茶の香気、手ざわり、出物の具合など、様々なものが語りかけてきます。

 

 

使い慣れた万古焼の宝品。

なじみの生産家と茶園からの「お里の知れた」荒茶ゆえ 欠点を探す「拝見」ではなく、必ず急須による抽出液で判定。このタイプの宝品はもう30年間使用しており、いつも同じ条件下で実施します。茶葉3g、熱湯100mℓ を使用。荷主と一緒に 入荷時の印象を確認しながら、必ず二煎目までは試飲します。三煎目の場合も・・・。

本日のメニューは さやまみどり・さやまかおり・ふくみどり・ほくめい・むさしかおり・・・ 狭山品種5種類、やぶきた・かなやみどり・おくみどり・・・ 静岡品種3種類、ごこう・さえみどり・・・ 宇治・鹿児島品種各1種類。計10品種30アイテムの荒茶を試飲するには、抽出液だけでも6ℓ を使用!  荷主と一緒に、入荷時の印象を確認しながらの作業です。

 

 

最後に試飲した5月22日製「ごこう」抽出液。

この一杯には、製茶されるまで一年間のつくり手の丹精と、再製・販売にかける新たな一年へ向けた 私達の期待・・・ 都合2年分の思いが込められています。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎