釜炒り製「さやまみどり」

初摘みから3週間、狭山新茶も最終盤。

7年目を迎えた釜炒り製微醗酵茶づくりも終了間際です。

 

いつもながら新茶のトリを飾るのは「さやまみどり」。狭山で選抜され、昭和28年に登録された「茶農林5号」。「やぶきた」が席巻する前、昭和の一時期 茶産地狭山を彩った個性的な品種です。

 

「さやまみどり」の新芽

光沢のある、分厚い濃緑色の生茶葉。この品種をみると、つくづく茶は「つばき科」の植物だと実感します。外観同様、内容も実に個性的な品種です。

 

 

その最たるものが、萎凋香性能

外観からも容易に想像できる濃厚な味に萎凋香が加味されると、さらに個性が引き立ちます。

 

 

葉も茎も太いだけに、軸が目立つ外観

茶葉の濃緑色が印象的。芯が大きいのか、シルバーチップが目につきます。

香気は華やかというより、ドッシリとした萎凋香。

濃厚な味に軽快な萎凋味が加わり、味の後から香気が到着する・・・ そんな内質を持った狭山茶。

目立たないけれども、存在感のある・・・ 合唱でいえば、バスのパートを演じている といった印象です。

 

 

私のような 熱烈なファンがいるにもかかわらず、経済性の理由から、いまや希少品種となってしまいました。それでも、その DNA は今日の品種に引き継がれており、狭山品種の「ルーツ」と呼んで差し支えがないと思います。

「さやまみどり」を選抜し、普及に努めた狭山茶業界の先達に感謝しつつ、今年も製茶できる悦びを味いました。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎