憧れの萎凋香博士 坂田完三 京大名誉教授

釜炒り製微醗酵茶をつくりを始めて満6年。もし国内に「師」と呼べる人があるなら、京都大学名誉教授 坂田完三先生・・・ この人以外にありません。

最初にめぐりあったのは講演要旨集「お茶の魅力は香りから〜香りの魅力と多様性」。Web で「萎凋香」を検索していたとき、2008年の事でした。萎凋香の魅力は理解していても、未知の世界だったそのメカニズム。坂田理論=「萎凋香ストレス理論」はそれを見事に解き明かしていました。

 

坂田完三先生

先生を知る同業者からの紹介でメールの交換を始めたのが2010年。翌年から始めた釜炒り製微醗酵茶のサンプルをお送りしたところ、「厳しい事を申しますが、三流品以下のもの。ただ萎凋は良くできているので、頑張ってください。」との批評と励ましをいただきました。

 

Stair Tea and Coffee 掲載記事

翌年製茶したサンプルを試飲いただいたところ、「green tea のワールドスタンダードといえるかもしれない」と初めて評価され、“World Tea  East 2012” に推薦いただきました。イギリスの茶商 Ms. Jane Pettigrew が担当するレクチャーにて “Lightly oxidized Sayama pouchong ” と紹介。このネーミングは坂田先生とJane によるもので、備前屋の日光萎凋の様子と共に取り上げられました。

 

左より 山梨宏之さん 坂田完三先生 山内美和さん 

やっとお会いする事ができました。昨年地紅茶サミットで知り合った、紅茶専門店Teaholics を主催する山内さんは「ダージリンでも坂田先生の名前を耳にします」と 上洛を希望。山梨さんは以前から師事され、先生の唱える「後酵素醗酵茶」の製造を行い、特許を取得。真夏の京都、先生とのミーティングは6時間にも及びました。接近中の台風による猛暑に負けないほどの熱を帯びた茶談義に華が咲き、楽しくも実り多い京の一夜が更けてゆきます・・・。

直接お会いして、お礼を申し上げたいとの長年の夢が ついに実現。「お茶とお茶が好きな人を大好きな先生」とうかがいましたが、その表現どおりの方でした。「茶縁」という言葉を教えられたのも先生からで、指導いただいた釜炒り製微醗酵茶づくりを通じて、急速に茶縁が広がっています。それを実感した上洛でした。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎