新茶『紫にほふ釜炒り製微醗酵茶』

手摘み茶の最高峰「紫にほふ」微醗酵茶が新茶に切り換わりました

 

「ゆめわかば」と「ふくみどり」・・・ 新茶に同時更新です

 

【ゆめわかば外観】

摘採・製茶は5月16日、野木園ゆめわかば今季最後に手摘みをしたもの・・・ 白毛に覆われた生長芯はほとんどなく、厚い葉肉の形状。今期課題の一つ、発酵度の高い製品に挑戦したロットです。最近の狭山緑茶用品種はカテキンの含有率が低いため、高い醗酵茶には不向きだと感じています。そこで摘採をなるべく遅らせてから製茶しました。

 

 

【ゆめわかば水色】

味も香気も濃厚で、従来の微醗酵茶よりも強いインパクトを感じます。なにより香気に特長があって、様々なタイプの萎凋香が次々と浮かんで来る印象です。発酵度を上げた効果を確かめることが叶いました。いままでにない「ゆめわかば」の個性を感じることのできる微醗酵茶です。

 

 

【ふくみどり外観】

こちらは5月1日摘採・製茶「ふくみどり」微醗酵茶第1号です。白毛の目立つ、いかにもこの品種らしい外観。そして細い軸が目立ち、早摘みの様子を伝えるルックスをしています。

 

 

【ふくみどり水色】

「紫にほふ」に仕上げるのに際して気づいたのですが、すでに荒茶の段階で柑橘系の香りを持ち合わせていました。製茶の乾燥工程を思い起こすと、それらしい香気の記憶はあるのですが、翌日の試飲では何ら特別なものを感じていない上、製造ノートにも特記事項の記載はありません。製造から一月を経てやっと現出した、恥ずかしがり屋の芳香かもしれません。これほどクッキリとした柑橘系萎凋香を感じたのは過去3度ほど。最初は2015年日本茶WARDでプラチナ賞を受賞した「ふくみどり」でした。

 

 

【パッケージ】

今年度、紫にほふ釜炒り製『ゆめわかば』と『ふくみどり』がそろいました。「ゆめわかば」は熟成した茶葉を使用した、今までにない濃厚な味とバラエティーに富んだ萎凋香を持つ、醗酵度の高い釜炒り茶。一方「ふくみどり」は若い芽を用い、柑橘系萎凋香を持つさわやか風味の微醗酵茶です。品種それぞれの個性が十二分に発揮された仕上りとなりました。京都吉田山大茶会に持参します。ティスティングが可能ですので、ぜひご要望ください。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎