新茶『むさしかおり』釜炒り製微醗酵茶

今年度春芽、釜炒り製微醗酵茶の製造が終了しました・・・

 

琥白の需要が旺盛なので、今新茶期は原材料の確保が課題となっています。

 

【むさしかおり摘採】撮影:2025/05/14,8:50am

市川喜代治氏の入間市上矢ヶ貫「むさしかおり」圃場。5月になってからも上々の気象状況が続き、新芽の生育はこの上なく順調です。

 

 

【むさしかおり新芽】

新芽が直立でなく、放射状に生育しています。日本の品種は直立型なので、台湾種「硬枝紅心」のDNAを引き継いでいるのが判ります。

 

 

【むさしかおり荒茶】

生長芯の白毛が残っています。軸が太く、飴色の長い棒が目立ち、仕上げに手間がかかりそうな豪快な外観です。一方、内質は素晴らしい! 抽出液がのどをすべり降りると、全ての味がスーと引いて、口中を支配するのは鮮やかな香気だけ・・・ 萎凋香を一層引き立てる、限りなく透明に近い味。様々な香気が浮かんでは消え、最後にはシナモンのナッティーな風味が残りました。まるで、野木園の手摘みのように複雑な萎凋香を所持する、とんでもない微醗酵茶です。同じ茶園から産出された煎茶も鮮やかな萎凋香をまとっており、従来にないほどに洗練された緑茶に仕上がりました。茶園の状況と摘採のタイミングが最良だったのでしょうか。今年の狭山新茶は「ブラボー!」です。

 

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎