ダージリン マカイバリ茶園 1st. & Autumnal

中旬から下旬にかけて厳しい冷え込みが続きました。早朝、事務所の軒下にある温度計は連日零度と氷点下を行ったり来たり。今月の最低気温は氷点下6℃でした。今週は寒気が緩み、ここ数日は暖かな朝を迎えています。ただし季節風が冷たい。それでも暖冬傾向なのだとか・・・。秋には真紅の葉で目を楽しませてくれていた庭のドウダンツツジは すっかり葉を落とし、北風に凍えているかのようでした。ところが近寄ってみれば、細い枝先には すでに新芽を準備しており、葉色と同じ紅色の蕾がびっしり・・・ 背景の蝋梅の黄との対比が美しい。庭の植木にはすでに早春が訪れているようです。

茶文化研究家 湯浅薫氏はダージリン マカイバリ茶園の親善大使を務めておられます。一昨年スリランカの茶園視察にご一緒した際、帰国後 参考までにとダージリンの詳細なレポートを頂戴しました。そして、今回は同エステートの茶葉をお贈りいただいたので、紅茶大好きの友人を誘って、試飲会を開催。シャンソン ベーシストの彼はミュージシャンだけに、感想の表現が楽しい事 このうえなし。以下は二人共通の感想です。

【’16 ファーストフラッシュ】
・水色が青~黄色。
・苦渋味のない、甘い味。
・青い香気・洗練された香気、とにかく抜群の香気。
・口中の香味の余韻が驚くほど長い。

 

【’15 オータムナル】
・味に渋みが少なく、おだやかで飲みやすい紅茶。
・水色・香気・味全てがダージリンのど真ん中にある印象。
・オータムナルの中で、いままで経験した事のない香気がある。
・緑色の茶葉のない事を除けば、茶殻は東方美人に似る。

 

「東方美人」をきっかけに 半醗酵茶に手を染めてから、ご指導を仰いだ京都大学名誉教授坂田完三先生より「香気の参考までに・・・ 」と頂戴したサンプルがダージリンのファーストフラッシュでした。他の紅茶とは異なり、明らかな萎凋香。「東方美人」の芳醇な萎凋香に対し、ダージリン1st.は研ぎ澄まされた 硬質な印象の萎凋香。いずれ劣らぬ、香りの極地にある茶に間違いない。
ダージリンのファーストフラッシュは紅茶の範疇を飛び出し、それだけで区分けすべき、特殊な茶に感じます。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎