今期の『白萩』

『白萩』が新茶になりました。

私にとって新茶の作柄をチェックする大切な煎茶なのです。

 

【新茶 白萩】

弊店煎茶ラインアップではトップを萎凋香が占めボトムを火入れ香で締めます。『白萩』は火入れ香煎茶ではありますが俗に言う「火香」とは同一ではありません。

 

【新茶 白萩 外観】

「火入れ」は茶の品質を向上させる重要な作業です。特に煎茶は香味をコントロールできる幅が広く、販売者の嗜好により様々な火入れ処理が行われ「火香」は日本茶を代表する香味として知られています。

 

【新茶 白萩 水色】

『白萩』は上質な狭山茶を代表する産地である入間市根岸・新久地区で産出した荒茶が原材料です。しかも生茶葉が色を緑に返した直後の若芽ばかり・・・ 鮮度ある味と香気を備えています。その資質を引き出すべく そっと火入れを行い、やわらかな火入れ香を添えるよう心掛けています。萎凋香でも火香でもない この煎茶の出来栄えが今年度の作柄を占う指標となります。春彼岸から続く低温の影響が懸念されましたが、今期も素直に火が入った『白萩』を無事に送り出すことができました。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎