蒸し製「むさしかおり」

今年の再製作業も最終盤。蒸し製「むさしかおり」の火入れを行いました。

卸売りでの引合いが多いこの品種、今回の仕上げは小売り用です。

 

【むさしかおり茶園】

入間市上谷ヶ貫にある市川喜代治氏の茶園・・・ 青鶴茶舗フローラン ヴェーグさんを案内した10月の状況です。台湾種「硬枝紅心」由来のDNAのためか 細長い葉型と開張型の樹姿が個性的で他の狭山品種とは一線を画すルックス・・・ 彼の歓心をかったようです。

 

【荒茶】 

摘採日は5月16日・・・ 新茶の進捗が早かった今年度にあっては最晩生でした。大柄な茶葉、太く白い軸が目立つ荒茶には葉肉の厚い台湾種の影響が見て取れます。

 

【外観】 

細長い生茶葉からは想像しがたいほどに 大柄な外観・・・ 蒸しが通りにくい品種のようです。

 

【茶殻】 日光萎凋が施された様子がうかがえます。

 

【水色】 

黄のかった抽出液からははっきりとした萎凋香が感じられます。それは「ふくみどり」のように繊細なものではなく「ゆめわかば」ほど個性的でもなくオーソドックスなものです。そして苦渋味のない上質な味には狭山茶の美点を覚えます。こちらは種子親「やぶきた」のDNAでしょうか?

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎