釜炒り製「むさしかおり」

今期、半醗酵茶は前年度を上回る数量を製茶することができました。

記憶に残ったものの一つが「むさしかおり」です。

 

【醗酵終了】

「むさしかおり」花粉親は台湾種「硬枝紅心」の実生で、台湾種のDNA を受け継ぐためか、葉肉が厚く軸が硬い生茶葉。そして台湾烏龍種を思い起こす色沢です。今期で三年目の製茶。前回・前々回より醗酵度を上げました。

 

【外観】 原葉どおり、大柄な茶葉と長く伸びた太い軸・・・ これは再製で手こずりそう!

 

 

【水色】

醗酵度を上げたためか、濃度ある水色。スパイシーな香気の中に初めて聞く芳しい萎凋香があります・・・ 魅力的です。

 

【茶殻】

茶殻も台湾茶に通じる色合い。埼玉県茶業研究所の技師に尋ねたところ、花粉親の「硬枝紅心」実生の来歴は不明との事でした。それにしても、よくぞ選別・登録してくれたものと感謝です。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎