愛しい人との Kiss のよう･･･ やっぱり このお茶は別格です。萎凋香の極地、香気の塊のような烏龍茶。麗しの Formosa Oolong Tea “Oriental Beauty”･･･ 憧れの「東方美人」。

 

 

台湾桃園で手に入れた品種「青心ターパン」製の「東方美人」。

 

台湾で「東方美人の出品茶は青心ターパンに限る」という話を耳にしたことがあります。日本茶品評会における「やぶきた」種のような存在でしょうか。

初めて魅力を知った台湾茶が「東方美人」。その鮮烈で奥行きのある萎凋香に魅了され、製造研修に参加したのが６年前。私にとって、半醗酵茶のオリジンです。

最近 嗜好が軽醗酵の茶に向いており、久々に原点に立ち返り「青心ターパン」製を希望し購入したところ、なんと それは入賞茶でした。

 

「青心ターパン」は大小交互の凹凸に縁取られた 個性的な外観。緑色が濃く、葉肉の厚いその生茶葉は なるほど強醗酵に真向きの外観を湛えています。

「チャノミドリヒメヨコバイ」通称「うんか」、これに加害された茶は代謝不良を起こし、そのストレスから芳香を発生する･･･ さらに茶葉に徹底した萎凋工程を施し、香気を極限まで高めた「東方美人」･･･ 愛しい恋人のような烏龍茶。

 

その外観･･･ 白毛が黄金色に染まり、様々な色をした茶葉。

 

 

その抽出液･･･オレンジ色のかった美しい色。

 

久方振りに味わう「青心ターパン」製は6年前を思い起こさせる芳香でした。芯があり、一切の不純物を排除した鮮烈な香気が喉の奥から鼻腔に突き抜けます。味は苦渋味が皆無。味も香りも純粋な萎凋香が支配し、喉も口も幸福の余韻に包まれます。

初めて台湾の地を踏んだときの意気込みを思い起こさせます ･･･  いずれは自らの手で！

 

狭山茶専門店 備前屋　清水敬一郎